第111号   2016年7月28日    
   
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1.ふるさと青年団、慰安旅行で「ハワイアンズ」を満喫!
2.特集 認知症の人の生活支援
  認知症の利用者と一緒に互助づくり
  認知症専門医から見た「ふるさとの会の認知症ケア」
3.花王ハートポケット倶楽部様より助成いただきました
4.山谷夏祭りお知らせ
5.書籍のご紹介『和の富国論』  藻谷浩介氏・水田恵対談
 
1.ふるさと青年団、慰安旅行で「ハワイアンズ」を満喫! 
 
 
5月15日~16日、株式会社ふるさとの従業員「ふるさと青年団」の皆さん11名が1泊2日の慰安旅行で福島県のスパリゾートハワイアンズへ行ってきました。去年の大江戸温泉に次ぐ2回目の旅行でした。

日頃は施設清掃や防災訓練、そして夏祭り等のイベントで活躍している皆さんが毎月2千円積み立ててきました。

ふるさとの会の利用者さんの安心生活を影で支えている皆さんですが、さらに団結力が増したように思います。これからも旅費を積み立てて次の旅行の計画を皆さんと立てていきたいと思います。
 
 
 
 
ふるさと東駒形荘は墨田区にある定員12名の共同居住であり、認知症の利用者も暮らしています。今号ではふるさと東駒形荘における認知症の利用者同士の互助づくりの実践報告と東大病院の岡村毅医師(老年精神医学会専門医)を講師にお招きした職員研修のご報告をいたします。 
 
認知症の利用者と一緒に互助づくり ~ふるさと東駒形荘の取り組みから~
 
●実践報告(東駒形荘中口館長)

「同じ釜の飯を食べている仲間」
東駒形荘の皆さんは、利用者ミーティングを重ねることで、東駒形荘の一員であり同じ釜の飯を食べている仲間という意識が芽生えてゆくように思います。以前は、認知症によるもの忘れなどが原因で他の利用者さんと喧嘩になるようなこともありましたが、ミーティングでお互いのことが分かってきたり、また自分たちでも健康番組で認知症特集をみたりして、「別に悪気がないんだから」と大事になることはなくなりました。皆さん、ミーティングに参加したいという気持ちが強く、自分の感じていることをお互いがんばって伝え合うようになってきています。

写真(左)東駒形荘
写真(右)中口館長

●岡村毅氏(東京大学精神神経科助教、老年精神医学会専門医)

「同質の人だけを集めるのではなくて、お互いに助け合う」

ふるさと東駒形荘の凄さは、認知症の専門家が作ったのではなくホームレス支援から生まれてきたこと。医療モデルだと、認知症なら重度になった同質の人だけを集めて特別病棟をつくりケアしてゆく。いま話しているのは全然違う発想。特別病棟を作るのではなくて、お互いに助け合う。

●水田 恵(NPO法人すまい・まちづくり支援機構代表理事)

「認知症になっても家族や地域を離れなくてもいい社会を展望する」
認知症になったら病院にではなく、認知症になっても家族や地域を離れなくてもいい社会を展望すること。東駒形荘はそのモデル。地域に認知症の人がいて、住民も理解してくれて、それによって認知症の人が暮らせるような地域介護力を作ってゆく。ハードよりも生活支援などのソフトに重きを置いていただきたい。
 
 
認知症専門医から見た「ふるさとの会の認知症ケア」
 
6月25日、東京大学医学部附属病院精神科の岡村毅医師をお招きして、当会の認知症ケアについてのご講演をいただきました。

岡村医師は認知症の専門医であり、2013年に3か月間、当会の施設で調査研究を兼ねたボランティアの経験があり、その調査を元に後に論文を公表されています。このお付き合いをきっかけに当会の顧問にもなっていただいています。

岡村医師からは当会の若手職員に向けて認知症についての基礎知識や認知症ケアの概要をお話しいただきました。

「ふるさとの会ではパーソン・センタード・ケアが実践されていてびっくりしました。利用者のケース記録がしっかりしていて援助方針についてよく議論されている。また、外部の人の出入りも多く公開性が保たれている。(川﨑市で起きた高齢者施設での虐待事件を受けて)虐待が起こらないためにはこうした条件が必要です。」というご評価をいただきました。

当日参加された厚生労働省の職員の方からは、「ふるさとの会が認知症への最適なケアに自然とたどり着いていたということが、専門家である岡村先生から語られたことが印象的です。」というご感想をいただきました。

当会の滝脇理事からは「岡村先生がポイントとしてご指摘された仕組み、開放性、情報共有、バックアップ、そして支援論がなければ虐待は十分起こりうること。緊張感をもってがんばりたい。」と説明しました。
 
3.花王ハートポケット倶楽部様から助成をいただきました
「サロンのある地域の姿を、また見に行きたいと思います」
 
花王ハートポケット倶楽部の2015年度「みらいポケット基金」として寄りそい地域事業に助成をいただきました。「サロンを拠点に空き家を資源に」をテーマに申請させていただき、6月17日にハートポケット倶楽部事務局の菊池様、運営委員代表の伊井様のお二人が見学に来られました。

商店街の空き店舗を改装したサロンで事業説明をさせていただき、それから空き家を活用した支援付きアパート、互助ハウスを見学し利用者の方々ともお話しいただくことが出来ました。

見学を終えて「地域住民のみなさんが自分にできることで地域を良くしたいと活動している姿を見ることができました。より様々な立場の方々が関わり活用されているサロンのある地域の姿を、また見に行きたいと思います」と感想をいただきました。

サロンを拠点に空き家を活用し、誰もが安心して最後まで暮らせる地域を作る寄りそい支援事業を行政だけではなく、企業の皆様にもご理解いただき、多様な形で引き続きご支援いただけるように努めてまいりたいと思います。


写真 サロンの前で助成決定通知書を手に記念撮影
(右から花王の菊池様、伊井様、佐久間代表理事、三好職員)
 
 
4.第40回 山谷夏祭りお知らせ
 
今年で山谷夏祭りもなんと第40回目を迎えることとなりました。

「山谷夏祭り」は、高野山東京別院による無縁供養を行うとともに、演芸、バンドなどで、山谷にお住まいの方、路上で生活している方、そしてふるさとの会の利用者が、ともに楽しいひとときを過ごしていただくイベントとして、毎年開催しております。皆様よりご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

また、夏祭りでのボランティアも大募集いたしております。奮ってご参加いただきますようご案内申し上げます。

◆開催日時・場所        ご案内チラシ
8月20日(土)17:00~20:00
8月21日(日)17:00~20:00
  
※ボランティアは9:00~21:00(部分参加も可能です)
場所:台東区立玉姫公園(東京都台東区清川2-13-18 )
◆ボランティア説明会      ご案内チラシ
8月7日(日)13:00~15:00
場所:ふるさとの会本部3階(台東区千束4-39-6)
 
5.書籍のご紹介『和の富国論』 藻谷浩介氏・水田恵対談
 
 株式会社ふるさと代表取締役社長の水田恵が藻谷浩介氏と対談した内容が本になりました。対談集として2014年4月に「和の国富論」として新潮社より単行本で発行されました。「新潮45」に連載された対談6本をまとめた対談集です。林業、漁業、リノベーション、教育、高齢者の共助、田舎暮らしの6分野の専門家が登場します。このなかの第5章 「超高齢社会」は怖くない‐の表題で水田恵との対談が収録されています。

「お互いに助けたり、助けられたり。そういう互助の関係が当たり前の社会になれば、日本人全員がもっと「安心」と「誇り」を持って暮らせるようになると思います。」(水田恵のコメント 本文より一部抜粋)
 
発行元:特定非営利活動法人 自立支援センターふるさとの会
〒111-0031東京都台東区千束4-39-6-4F
  TEL:03-3876-8150  
  FAX:03-3876-7950   
  E-mail:info@hurusatonokai.jp 
  HP:http://www.hurusatonokai.jp/